平成14年山行記録
日 時    5/1〜5/2
場 所 常念岳
コース 一ノ沢〜山頂往復
同行者 単独
費 用
月/日 出発時間 到着時間 場      所 天 候 特  記  事  項
5/1 5:40   登山口駐車場 曇り 朝4時起床、天気は相変わらず曇り空。昨夜1時頃到着した1人のハイカー
    6:00 一ノ沢山岳指導所 はまだ休んでいた。彼の話によると8時頃出発して山頂でテン泊するとの
    6:55 王滝 ことであった。今日は天気も良くなる話なのでハイカーが次々と現れるかと
  7:20   王滝 思ったが意外に誰も来なかった。まだ時間も早いせいもあったのか?
    8:30 笠原沢分岐 そんなことを思いながら出発の準備も整い5時40分駐車場を後にする。
      (アイゼン装着) 一ノ沢林道を5分くらい歩いた頃後ろから原付のバイクが 通り過ぎた。
  8:50   笠原沢分岐   最初は工事関係の人かな!と思って歩いていた。
    10:20 常念小屋   暫くすると山岳指導所と書かれた小屋に着いた。そこで登山届けを提出
  12:00   常念小屋 晴れ しようと立ち止まったところ中から1人の係員が出てきて挨拶を交わした。
    13:00 常念岳山頂   先程バイクで通り過ぎた人であることが判った。
  15:00   常念岳山頂   今日はまだ誰も登っていないとのことであった。愛想の良い初老の人で
    15:55 常念小屋   あったので少し休んで話をしていこうかと思ったが、いつもの癖で足は
          既に山頂の方角に向いていた。
5/2 6:30   常念小屋 晴れ よし!これからいよいよ待ちに待った常念岳の本格的な登山だぞ!!
    7:00 胸突き八丁昇り口   と気合いを入れながら緩やかな傾斜の山道を歩き始めた。
    7:30 笠原沢入口   王滝と言う看板が立っていたが滝らしい滝は見あたらなかった。
    8:04 王滝   道の脇にベンチが置いてあったので朝食休憩をとる。
  8:10   王滝   まだ早いせいか降りて来る人もいなければ、後から登ってくる人も
    8:40 山の神   いなかった。いわば貸し切りの山岳道と言う感じであった。王滝を出発して
    8:50 一ノ沢山岳指導所   30分も経った辺りで残雪が現れ始めた。
    9:02 登山口駐車場   このコースは雪渓を歩くコースであることは予備知識としてもっていたので
          さほど気にしなかったが高度を増す毎に雪の量が多くなってきた。
      鳥居峠駐車場   どのくらい歩いたろうか?いつの間にか樹林の中を抜けて大きな沢に出た
これが笠原沢の分岐点かなと思った。本来(夏通)なら標識があって判るようになっていると思うが雪に覆われていて標識が見あたらない
まだ傾斜はそれ程きつくはない。アイゼンは未装着のままで歩き続ける。幸い、20〜30m間隔で旗が立っていたので安心して登って
いられた。沢の分岐点から15分位歩いたところで、昨日登ったハイカー2人が降りてきた。この山を何度も登っている地元の人であった
ので天候が悪いのを承知で登ったとのことであった。山頂付近はガスが覆っていたので小屋から直接降りてきたと言う。
その2人のガイドによるとここから1時間で胸突き八丁、更に1時間で稜線の小屋につくと言うことであった。
彼らはアイゼンを装着していた。思わず私も「そろそろアイゼンを装着したほうが良いかな?」といったが、彼らは胸突き八丁までは
大丈夫だよ!と言っていた。しかし15分も歩くと少しずつではあるが傾斜がきつくなり足元が滑るようになってきた。
ここでアイゼンを装着する。10分程してからアイゼンの感触を味わいながら雪道を登り続ける。胸突き八丁はまだなのかと思いながら
登り続けるが標識が無く判らない、旗だけを頼りに登っていたがいつの間にか傾斜が急になっているのに気づく。
月/日 出発時間 到着時間 場      所 天 候 特  記  事  項
5/1 5:40   登山口駐車場 曇り もしかするとこの急斜面が胸突き八丁ではないだろうか?と思いながら歩くが
    6:00 一ノ沢山岳指導所 ふと後ろを振り返るともの凄い急斜面で、ここで足を滑らせたら下まで転げ落ち
    6:55 王滝 てしまうと思った。1旗間隔で心肺の鼓動を抑え次の旗までまた歩く。
  7:20   王滝 まだか!まだか!と思いながら1旗毎に30秒から1分の休憩をする
    8:30 笠原沢分岐 天候は相変わらず曇り空で時々晴れ間が見えるときもあったがあまりの
      (アイゼン装着) 急斜面で上空を眺める余裕もなかった。
  8:50   笠原沢分岐   かなりきついな!この斜面は。 夏道はもっと大変だろうなと思いながら
    10:20 常念小屋   更に登りつづける。登っても登っても稜線が現れて来ないこの山はいったい
  12:00   常念小屋 晴れ なんなんだ!と一人つぶやきながらが我を忘れて登り続けた。
    13:00 常念岳山頂   目印の旗の脇で今度は少し長めの休息をとろうと思ってふと上方を見ると
  15:00   常念岳山頂   一瞬幻のように思えたが、紛れもない稜線が見えた。
    15:55 常念小屋   「やったー!稜線だー!」と思わず大きな声で叫んでしまった。
          この時の感激は一生忘れないだろうと思うほどであった。
5/2 6:30   常念小屋 晴れ 突然元気が出てきて長く休息をとるつもりがいつものように心肺の鼓動が
    7:00 胸突き八丁昇り口   整ったところでまた歩き始めた。そこから稜線に辿り着くまで15〜20分は
    7:30 笠原沢入口   かかったと思う。稜線まで本当に急斜面の続く山であった。
    8:04 王滝   稜線に出ると100m位先に赤い屋根の常念小屋が見えた。
  8:10   王滝   ここでやっと一息ついたと言った感じであった。
    8:40 山の神   小屋の入口で写真を撮り受付を済ませた。ザックの中に食料品
    8:50 一ノ沢山岳指導所   (パンや菓子類)はあったがカップラーメンがとても食べたくなり小屋の主人に
    9:02 登山口駐車場   400円で作ってもらった。小屋の食堂で満足しながらラーメンを食べていると
          天気が一気に良くなり窓越しに晴れ間が見えてきた。
      鳥居峠駐車場   これはのんびりしているところではないと思いラーメンを急いで食べ
部屋に戻り山頂へ行く準備をした。持ち物は、ビデカメとスチカメ&三脚程度であった。山頂へ到着するまでに1度だけ槍ヶ岳が見えたが
直ぐガスで隠れてしまった。山頂へは丁度1時間で到着。先客は2人いたが1人は直ぐ下山しもう1人は着いたばかりか暫くいた。
最初はガスが多く穂高連峰の一部しか見えなかったが、20分もいるとガスの流れが速くなり、念願の槍ヶ岳が眼前にくっきりと
現れた。それからの私はビデオカメラとスチールカメラを交替で三脚のセットを繰り返していた。
北方から順に頸城山塊(妙高・火打の連山)、白馬連峰、燕岳、大天井岳、横通岳、そして真正面に天を突く槍ヶ岳、左側(西側)に
穂高連峰が雄々と鎮座しており、山登りにとっては贅沢極まる見事な眺めである。近くで雷鳥が砂と戯れているのも知らずに
約1時間30分、後から来たハイカー達と一緒に絶景の一時を過ごしていた。脳裏にこの絶景が焼き付いたところで、やむなく
下山開始とした。帰りはゆっくりとビデオを撮りながら小屋に向かった。小屋での宿泊は普通の山小屋と言った感じで特別これと
いったものはなかったが、唯一食堂から望む夕陽に映えた槍ヶ岳の眺めは私の脳裏に深く刻まれ生涯忘れないだろうと思った。