平成16年山行記録
日 時 6/5.6
場 所 塩見岳
コース 鳥倉林道終点〜三伏峠〜山頂往復
同行者 単独
月/日 出発時間 到着時間 場      所 天 候 特  記  事  項
 6/5  12:25   鳥倉林道終点駐車場   首都高の渋滞を考慮し自宅を4:35に出発したが生憎の事故で渋滞と
  13:10 13:00 豊口山登山口   なっており、湾岸経由で10分程短縮できたのがせめてもの救いであった。
  14:40 14:28 豊口山コル   八王子過ぎて小仏トンネルまでノロノロ運転であったが、それ以降は
  16:15 16:03 塩川林道からの交差点   快適に走ることが出来た。
    16:43 三伏峠小屋着   高速降りる前に小黒川SAで朝食(カレーライス)を摂り万全の体制に入る。
6/6 04:15   三伏峠小屋発   松川ICを降り途中のコンビニで食料品を調達し、ほぼ予定通り
  05:30 05:10 本谷山   登山口駐車場(鳥倉林道終点)へ到着した。
  07:25 07:18 塩見小屋   駐車場には12〜3台の車が止まっており、前方にはこれから行こうとする
    08:56 山頂(東峰)   本格的な登山口への林道がはっきりと見えた。
  09:45   山頂(西峰)   早速着替えて登山の準備に入り12:25駐車場を出発。今日は三伏峠小屋
  10:40 10:33 塩見小屋   に泊まるために缶ビールの入ったクーラボックスをザックにパッキングした為
  11:20 10:48 荒川出合分岐   とても重く感じた。林道を歩き始めて直ぐに車に戻れば良いものを、暫く
  12:48 12:38 本谷山山頂   歩いてから様子見ようと判断した為「重い重い」と言いつつ豊口山登山口まで
  14:05 13:50 三伏峠   来てしまった。このエリアに荷物を置いていくような格好な場所が見あたらない
  14:55 14:30 水場   ので、やむを得ず本格的な登山道(最初からやや急登)に入っていった。
  15:45 15:35 豊口山のコル   予想通り10分もしないうちにばてばてになり、仕方なく草むら(シダの葉)
  16:34 16:34 豊口山登山口   の下に置いて行く。確かに荷物は軽くなったが、ここまでの(約40分間)
    17:20 鳥倉林道終点駐車場   体力消耗が大きかったのか、荷物が軽いと感じても軽快な足取りにはなら
なかった。        
暫く行くと標識「鳥倉林道登山口から三伏峠まで1/10」があった。これは目安になって良いな!と安堵感を受けながら登り続ける。
豊口山のコルに着いたとき標準タイムを少しオーバしていたが、ここから先がとてもつらかった。
前日の睡眠不足と今日の高速道路連続運転、そしてだめ押しのクーラーボックスが効いたのか心肺機能が低酸素運動
の状態であった。高度計を見ると電池が切れてフリッカーしており少し落胆してしまう。
(前回電池を交換したのは、3年前岩手山に行くときであった)低酸素ではなく単に疲労からきていることが後で判る。
『この状態では明日山頂に行くのは、もしかすると無理かもしれない』『でも今更後には戻れない!』『何とか小屋までは
行こう!!』と自分に言い聞かせながら、途中何度も休み三伏峠に辿り着く。
何度も休憩しながら着いたのでかなりの時間を費やしたと思ったが、マップでもう一度確認すると、標準タイム3:30(休憩無し)
のところを4:20(休憩含む)で到着したのでそれ程のオーバーでは無いかなと思った。
時間のことは直ぐに忘れ今日の<ねぐら>を確保しようと小屋を確認する。小屋の中は意外と小綺麗で、窓からは塩見岳が
全望できた。荷物を置いて写真撮影をしていると1組(2人連れ)のハイカーがやってきて「水はないか?」と尋ねられたが
水場の看板があることを教えたら、水を汲みに出かけていった。  
私はその間、南アルプスの山々を充分堪能し、寝床に戻って明日の準備と軽めの食事を摂って18:30、少し早いがシュラフを
被る。約5分後、先程のハイカーが水汲みから戻ってきて夕食の準備に取りかかった。私がシュラフに入っているので彼らは少し
気を使っていたようだが、それでもうるさくてなかなか眠れなかった。結局ご飯を食べた後コーヒーを飲むところまで眠れずの
状態であった。翌朝3:45起床、窓の外は薄明るい状態で、雨は降っていない。寝床を片付け4:15小屋を出発した。
昨日の事を考慮し少しでも荷物を軽くしようと思い、シュラフとマットを小屋に置いていく。
昨日ほどの疲労感は感じないが、いつもの軽快さはなく、山頂までたどり着けるかと言う不安はあった。
:アップダウンを2〜3回繰り返したところで大きなピークにでた。本谷山山頂である。先程の小屋からの展望を更に上回る
絶好な場所であった。天気も晴れていて、右前方にこれから向かう塩見岳が、畏怖堂々と構えていた。ゆっくりと地図を広げて
           
           
南アルプスの山々を確認したいところであったが、余りの行程の長さと、今後の天候を考慮し、20分の休憩にした。
一等三角点の石標柱を手でなでて、本谷山山頂を後にした。暫くは稜線沿い歩きをして心地よい気分に浸る。
約1時間後に倒木のある急登な斜面にでる。この辺りから疲労が表れ幾分足が重くなっていた。
少し長めの休憩で朝食を摂りたいと思ったが、空腹感が全くなく食事を摂る気になれず水だけを補給した。
5分位すると小屋で一緒だったハイカーがやってきた。彼らも決して軽快な足取りではなかったが、しっかりとした足取りで
ゆっくりと急登を登り続けていった。「いつもなら私もあんな感じで登れるはずなのになー!」と一人呟きながらザックを背負う
樹林帯の急登を終えると展望が利く稜線にでる。これからやっと塩見岳の裾野にとりついていくのが判った。
たぶん高度的には2500m前後であると思われる。なぜなら典型的な低酸素状態が発生していたからである。
下半身は前に行こうとするが心肺機能が遮っている。1分位登って30秒くらい呼吸を整える(あるいはもっと短いかもしれない)
暫くはこれの繰り返しであった。1週間〜10日前くらいに3000m級の登山を経験していると、このような低酸素状態も
楽なのであるが、今回は今シーズン初めての3000m級登山であるためとてもきつく感じられる。
少しずつ体を馴らしていくしかないと思い、本当に休み休みでカメさんより遅いゆっくりとした足取りで登り続けていった。
山麓の「塩見岳小屋」へは7:18に到着した。この頃から上空が怪しくなり今日の始発点三伏峠辺りがガスで覆われており、
こちらの方にゆっくりと流れているのが見えてきた。(後方を振り返ると、つい先程までは三伏峠小屋が見えていたのが今は
ガスで見えない)「山頂に着く頃は雨になって展望はないな!」と思った。小屋の前で7分休憩して更に登り続ける。
相変わらず低酸素状態は続いていて足取りは重い。暫くすると雨がぽつりと落ち始め、山頂方面を見るとガスがかかっていて
小雨が降っている様であった。疲労度も考慮して早めに雨具を着け水と流動食(コンニャク畑)を補給して雨の山頂へと向かう。
小屋から40分くらいで剣岳のような危険さ(怖さ)はないが、大きな岩場に出る。雨が降っているので岩肌は濡れており滑落の
危険性があるので何度も自分に言い聞かせ、やっとの思いで山頂(塩見岳西峰3047m)に8:56到着した。
予想通り雨とガスで展望は全くなし。この時2年前に行った鹿島槍ヶ岳を思い出した。途中までは天候も良く北アルプスの山並みを
充分堪能できたので今回も全く同じである事に気付いた。山頂では例によってエビデンスの写真とビデオ撮影をして、9:45下山
開始。荒川分岐点に10:48に到着しここで初めて長時間(35分)の休憩をとり小雨降る中で朝食を摂った。
食事を摂ってPOWERが出たのか、はたまた高度が低くなってきたせいか体が幾分軽くなったようであった。三伏峠に13:50
駐車場に17:20到着して今回のきつい登山にピリオドが打ててホッとし、駒ヶ根市内にある「くさの湯」の温泉に向かった。