平成18年山行記録  
日 時 8/2
場 所 黒部五郎岳
コース 折立〜太郎平小屋〜黒部五郎岳ピストン
同行者 単独
費 用
月/日 出発時間 到着時間 場      所 天 候 特  記  事  項
8/3 15:40   小入野寮  晴れ 8/4 8:00折立駐車場出発
  16:45 16:30 三春IC手前のコンビニ     9:00/9:10 水芭蕉群生地過ぎ急登入口(1745m)
  16:57 16:50 三春PA     9:17 三角点〜9:30/9:40 スゲ平(ニッコウキスゲ群生) 
  17:50 17:47 西会津IC    10:15/10:40小屋まで2.5kmのベンチで朝食
  18:55 18:50 燕三条    10:50〜11:05ビデオ撮影
8/4 5:40 20:40 有磯海SA    11:35太郎平小屋到着
    7:30 折立駐車場  
   
8/5 4:05   太郎平小屋出発 晴れ 7:50       分岐点
  5:35 5:30 北ノ俣岳 8:00/8:40  山頂
  6:03 5:58 赤木岳 8:50       分岐点
  7:20 7:18 山頂直下 9:10       山頂直下(鞍部)
      (鞍部・急登始り部) 10:40/10:50 赤木岳
          11:17/11・20 北ノ俣岳
          12:30/13:05 太郎平小屋
          17:30       折立駐車場
           
日本百名山、北アルプス ラス前の山(オーラス=メモリアルは笠ケ岳)黒部五郎岳登山は、前日の移動から天候に恵まれ
爽快な気分で登山口(折立駐車場)8:00出発した。
以前、薬師岳登山でこのコースは2度登っている(一度は太郎平小屋まで)ので気分的にかなり余裕があるようだ!
山小屋2泊予定の為いつもの登山よりはやや荷物は重いが当初のスケジュール通り1時間17分で三角点に到着
三角点を過ぎてからは、稜線歩きとなり、太陽の光を直に受ける状態となるが高所のせいか、風が冷たく心地よい。
10:15眼下に有峰湖が映えるベンチで朝食休憩をとった。約25分の休憩であるがその間ハイカーは続々と登り、今夜の
山小屋は満杯だな!と思いつつリュックを背負って歩き出す。足取りは相変わらず軽快であり、この時体力の余裕に優越感が
得られ、明日は小屋に泊まらず直接下(折立駐車場)まで下りようと密かに決めていた。
11:35太郎平小屋に到着した。予想通り小屋前の広場では沢山のハイカーで賑わっていた。
これからテント場に行く者、薬師沢小屋に行く者、折立に行く者、私のように小屋泊の者と総勢50人位寛いでいた。
私も先にチェックインして自分の寝床を確保し、着替えを済ませて明日の登山準備をしビデカメとデジカメを持って
小屋前の広場に出た。
改めてゆっくりと周りの景色に酔いしれる。正面には「我、天空に独り占め」と言いたげな薬師岳が聳え立っている。
東方面には水晶岳・鷲羽岳と昨年縦走した裏銀座コースの屋根がはっきりと望むことが出来た。そして角度を変えて南東方面に
明日登る黒部五郎岳がこれまた眼前に見ることが出来た。
写真を撮り、ビデオも十分に撮ったところで、一旦寝床に戻り、カメラ類をリュックに詰めて夕食前のビール飲みに
再度広場に向かう。15:30近くになり、テン泊のハイカーも少しずつ居なくなり、下に降りる休憩者も居なくなって随分と
人が少なくなってきた。それでも20人くらいは寛いでいたようである。私もベンチに座りたくなり缶ビールとつまみを持って
少し空いているベンチに割り込ませてもらい、見ず知らずの仲間と山話に耽る。
中年の1組のパーテイは上高地(横尾〜槍ヶ岳)〜双六小屋〜三俣小屋〜黒部五郎岳〜太郎平小屋というトータル50km
近くを歩いてきたと言っていた。思わず驚嘆するが反面とても羨ましく思った。金と時間が全てだな・・・
定年になったら私も思い切りそのようなことをしてみたいと強く思った。
翌朝3:30起床、4:05ヘッドライトを着けて小屋を出発した。気温が低く手が少し冷たかったが直ぐに温まるだろうと思い
手袋は未装着のまま太郎山脇を通過した。約50分位でピークが現れたのでこれが「北の俣岳」と思ったが、何も標識が
ないので8分ほど水補給で休憩しそのまま通過した。そこから約25分で又、ピークに着いた。今度こそ正真正銘の
「北の俣岳」であった。何とここからは北アルプスのシンボル「槍ヶ岳」が望めた。思わず興奮してしまい余りの絶景に酔いしれて
しまった。更にルンルン気分で稜線を歩くと目標の黒部五郎岳山道のジグザグがよりはっきりと見えてきた。
7:18山頂直下の鞍部(急登の始り口)に到着。ここで気合を入れ直すため登り最後の水補給をし、山頂まで40分の予想を
たててゆっくりと登り始めた。黒部五郎小屋へ降りる分岐点に7:50分到着。ここで10名位のハイカーが休んでいたが
私は休憩を取らずに一気に山頂へと向かった。
山頂へは予想通り8:00到着であった。360度大パノラマである。太郎平小屋からの展望とは又一味違う何ともいえない光景を
目の当りにする。10人位の先客が居たが、順番に記念写真をとりそれぞれが思い思いに場所を陣取って休憩を取っていた。
当初の計画では山頂で1〜1.5時間は居る予定であったが、急遽、計画変更の為40分に変更し8:40下山開始した。
さすがに帰路は足取りがやや重くなっていたが、大きな疲れは感じられなかった。
太郎平小屋に12:30到着し、小屋に預けていたメインのリュックに詰め替えをし、背負ってみたがややきつく感じられた。
「少し重いけどゆっくり歩いて降りれば大丈夫だろう」と思い、13:05小屋を後にした。
最初は木道なのでとても歩きやすかったが、やはり背中の荷物が重く感じ15〜20分歩いては休憩をこまめに取るようにした。
4度目の休憩に入る直前で右脚のふくらはぎが攣ってしまった。これは、やばいと思ったがどうしようもないので5分位休憩して
いたら下山のハイカーが着たので筋肉スプレーを持っていないか聞いてみた。女性の人だったが「持っていない」と言われ
愕然としてふくらはぎを揉み続けていた。
暫くすると更にハイカーが降りてきたので又同じように問いかけたが、いつもは持っているが、今日は太郎平小屋までの登山
なため、生憎持ち合わせていないと言われた。仕方なくゆっくりと立ち上がり少しずつ歩き始めた。
20分位歩いていると今度は左足のふくらはぎが攣ってしまった。三角点にベンチがあるのを覚えていたのでそこまで、
我慢して何とか歩こうと思ったが次の右脚のふくらはぎに2度目の痙攣が発生し三角点手前800mで6回目の休憩に入る
また、下山のハイカーに声をかけたところ今度はバンテリンを持っている人が現れ命拾いする気分になった。
さすがにバンテリンの威力は凄いと思い更にゆっくり歩き始めるが、やはり10分位でふくらはぎがピクピクしてくるのがわかる。
三角点まで持たずに又休憩に入る。
下山中のハイカーに筋肉スプレーをかけて貰ったり、湿布綿を貼ってもらったりしたが、休憩時間が短いのと
荷物が重いのダブルパンチで筋肉疲労は一向に和らぎません。
それでも少しずつゆっくりと足を庇いながら降りて、駐車場まで残り10分という位置で完全に歩行できなくなってしまいました。
両足のふくらはぎは勿論のこと、太もも、足首前面いづれも両足)も攣っていて全く身動きできない状態になってしまいました。
とにかく痛さに耐えられない状態が2〜3分継続しました。時間も16時30分で下山のハイカーも来なくなってしまった。
10分位休憩していると2人のハイカーがやってきてもう一度筋肉スプレーを持っているか尋ねると幸いにも持っていて、
私の足全体にスプレーをしてくれた。更に最も重症なふくらはぎ部にテーピングをしてくれたがこのテーピングは逆効果で
即攣ってしまい痙攣が治まらない状態でしたので直ぐに外してもらいました。
そうこうしている内に秋田市から来た中年の男性が「どうしたの?」と声をかけてくれ状況を説明したところ両足全部位に
バンテリンを塗り始め同時にマッサージをしてくれた。痛みは随分と和らぎ、少しずつ自力で立てるようになってきた。
結局この場所では30〜40分位休憩し、私のリュックを他の1人が背負って降り、私は自分のより少し長いレイキ(ストック)
を2本借りてそれを突きながらゆっくりと折り始め駐車場に17:30到着した。
その後も秋田市の男性が私の面倒を看ると言ってふくらはぎにバンテリンを塗ろうとしましたが、体性が悪かったせいか、
またまた攣ってしまう為、塗るのは止めてそのまま10分位休養していた。それから男性はこの状態はかなり重症だから、
このまま長時間車を運転するのは大変危険だと言って一緒に後からついてきてくれ有峰有料道路を降りた、
小さな部落の駐在所に駆け込み救急車を呼んでくれた。
私はそのまま救急車に乗り、富山市内の病院に運ばれ点滴を打ってもらった。点滴を受けた後はかなり回復し、医者は帰宅の
許可をくれたのでタクシーで駐在所まで戻り(タクシー代12000円だった)近くの温泉駐車場で車中泊しました。
翌日は5時に起床し、そこの温泉に入ろうとしたが10時まで待たなくてはならないので、時間がもったいないと思い、
北陸道に乗り柏崎ICで降りて市内のソルトスパと言う温泉入浴施設で温泉に浸かり仮眠室で3時間くらい休憩した後で
自宅に帰った。いつもなら帰りの車の中はルンルン気分なのだが、今回ばかりは何とも後味の悪い帰路でした。