平成21年山行記録
日 時 7/23
場 所 トムラウシ
コース 短縮登山口〜カムイ天上〜前トム平〜トムラウシ公園〜トムラウシ山ピストン
同行者 単独
出発日時 到着日時 天 候 場        所 備   考
4:11   霧雨後曇り・ガス多し 短縮登山口  
  4:33 温泉コース分岐  
  4:49 切り株  
5:18 5:13 カムイ天上  
6:30 6:18 小さな沢(広場)・朝食休憩  
  6:50 沢入口(急登の終り)  
7:08 7:00 こまどり沢分岐  
8:02 7:57 前トム平  
  8:30 トムラウシ公園  
9:15 9:10 十勝岳分岐  
10:08 9:44 トムラウシ山頂  
10:35 10:26 十勝岳分岐  
11:18 11:08 トムラウシ公園  
11:44 11:43 前トム平  
  12:22 こまどり沢分岐  
12:32 12:30 沢入口(急登の終り)  
  12:51 小さな沢(広場)  
  13:44 カムイ天上  
  14:19 温泉コース分岐  
  14:38 短縮登山口  
         
 山 行 記
東京の旅行会社「アミューズトラベル」の大雪山系遭難事故により、私の日本百名山山行計画が大幅に変更に
なってしまった。当初はアミューズツアーに同行してトムラウシ山、十勝岳、大雪山(旭岳)を山行するはずで
あったが、肝心のアミューズ会社がトラブルを発したため、アミューズの山行は全て中止となり、仕方なく自力で
山行することに決めた。
 
千歳空港・レンタカー営業所を11:40に出発し霧雨とガスで視界の悪い日狩峠を14:00頃通過してトムラウシ山
短縮登山口へ17:40到着。テレビ放送ですっかりお馴染みの登山口が正面に見え、思わず観光地化されて
しまったような錯覚に陥ってしまった。大型バスが旋回できる広い駐車場では今にも雨が降ってきそうな曇り空で
昨日の雨の影響か水溜りが数箇所あった。また、駐車場入口右手に小奇麗なバイオ式トイレも設置されており、

さすがに北海道の登山口と言った感じである。駐車場の周りには明日登るハイカーたちの車と登山中の車で
約10台位止まっていた。アウトドアー感覚で車の脇で夕食を採っている者、今下山してきて帰りの準備をして
いる者、車の中で登山地図をながめている者等、様々であった。私も早速、登山口周りの写真を撮り、その後、
明日の登山準備と夕食に取りかかった。車中でラジオを聴きながら夕食をしている18:15の頃に、警察員がパトカーから
おりてきて登山BOXの蓋を開けて登山者の下山チェックをしていた。それから15分後に男性1人、女性2人、
何れも中年3人組みのハイカーが降りてきた。私の車の隣に止めていたようで、早速私も車から降りて登山道の状況を
聞いてみた。最も気にしていた「コマドリ沢」の雪渓状態について聞いてみたが、アイゼンなし又は軽アイゼンで十分との
ことで今回用意した12本爪のアイゼンは一応持参するが一先ず安心した。
20:30消灯、翌朝3:30起床、ヘッドライトをつけてトイレから戻ると、ネクタイを着けたサラリーマン風の男性が
眠気眼の私に近寄ってきて先日のアミューズの遭難事故についてインタビューをしてきた。彼は毎日新聞、帯広支局の
者で数人の登山者に意見を聞いているようであった。インタビューは月並みの質問で5〜6分で終了した。急いで車に
戻ってレインウエアー上下を着、事前に用意しておいた登山届けを登山BOXに入れて登山口4:11出発。北海道の4時
はさすがに明るくヘッドライトを外して、霧雨の中やや泥濘の山道をゆっくりと歩き始めた。レインウエアーを着ていたので
10分位で汗が出始めたが、山道脇の草木が濡れているため、レインウエアーを脱ぐことが出来ない。もう少し我慢しようと
思って歩いているとトムラウシ温泉との合流点に到着。ここまでは少し泥濘の道で極、平凡な登山道と言った感じであった
が、ここから先の登山道は長靴の必要なたんぼ道であった。福島、新潟の県境にある平ケ岳の登山道と同様であることを
思い出した。私を追い越していった中年の男性は本コースを熟知していたのか長靴を履いて軽快に進んで行った。
確かに泥濘の道でなければこのコースはそれほど難コースではない。皆、泥道を歩くのに難を要しているだけであると
思った。カムイ天上の標柱を過ぎて広大な草原の様な所へ来たが、周りがガスで全く展望なし。道は相変わらずの
泥濘である。カムイ天上から1時間程で小さな沢が流れている開けた斜面の広場に来た。先程私を追い越して行った
長靴の人が休憩をしていた。私も丁度休憩タイムにしようと思っていたのでリュックを降ろして朝食(おにぎり1個)を
とった。普段私の単独山行は殆どが朝食&昼食抜きの登山であるが、今回はいつものように空腹感はなかったが、
山頂到達までの時間がかなりかかると予想していたので取りあえず食べようかと言った感じで食べることした。
すると長靴の男性は地図を確認して、この先から急な下り坂となり沢へ下りるようです。と親切に教えてくれた後、お先にと
言って樹林帯の中へ入って行った。私もそそくさにおにぎりを食べ、カリカリ梅2個と水を十分に飲んで6:30広場を
後にした。樹林帯に入って直ぐに下り坂になった。相変わらず泥濘の道で下り坂とはいえ結構、難を要しながら降りた。
約20分で下り坂が終わり、沢沿いの道に差し掛かった。ここでやっと泥濘の道とはおさらばである。ここから10分で
本コース最難所と思われるコマドリ沢雪渓の始まり、所謂コマドリ沢分岐に到着した。
見上げると確かに大きな沢が左右に2つあり、双方とも大きな雪渓状態となっていた。
山頂方面の右側の雪渓は沢山の足跡が付いていて多くのハイカーが登っていることが窺える。アイゼンは装着
しなくても大丈夫そうなのでそのまま、雪渓を歩き始めた。コース的には長いが傾斜が緩やかなので、アイゼンは
全く不要である。前回の羅臼岳の大沢雪渓より遥かに楽であった。
雪渓が終わると大きな石がごろごろしている斜面を40分歩き、晴れていれば展望の素晴らしい前トム平に到着。
登山道はしっかりしていてもガスが多く視界が悪ければ迷ってしまいそうな雰囲気である。幸いに今日は曇って
いるがガスはそれほど多くないので山道の証のペンキ印は十分過ぎるくらいに良く見える。しかし晴れていれば
直ぐ近くに見える山容も今は全く見えない状態である。これから山頂まで2時間くらいはかかるので慎重に行こうと
改めて自分に言い聞かせて歩き出した。
前トム平から15分位歩くとトムラウシ公園へ降りる岩場にでる。ここで若干、道を間違えたが直ぐに気付き、正常な
登山道へ修正した。トムラウシ公園には8:30到着。幻想的な風景であるが、疲労が無く天候もあまり優れてないよう
だったので休憩を取らずにそのまま先へと進んで行った。
北海道の山は森林限界を超えると遮るものが全く無く、とても気持ちが良い。但し、先日のアミューズの遭難事故と同様、
真夏でも風雨等の悪条件が重なって零度近くにもなり、また反対に大晴天の時は熱射病になることも予想される、大変
厳しい山である。私も今回は山頂での悪天候を想定して少し厚めの防寒着(ヤッケ)を持参しての登山である。
トムラウシ公園から40分で十勝岳への分岐点に着き、更に20分視界が悪く展望は全く望めないトムラウシ山頂へ
9:14到着。視界は悪いが山頂の標柱はしっかりと見えたのでエビデンスの写真とビデオを撮って10:08山頂を
後にした。