23山行記録                                                          目次へ戻る
日時 8/15〜8/18
場所 南アルプス・北岳〜間ノ岳
コース 広河原〜大樺沢・二俣〜八本歯のコル〜北岳山荘〜北岳〜間ノ岳
同行者 単独      
出発日時 到着日時 天候 場所 備考
8/16   晴れ    
6:18   広河原山荘  
6:43 6:38 白根御池分岐点  
8:52 8:37 二俣(2175m)  
10:39 10:25 上部二俣(2530m)  
11:55 11:45 曇り
(ガス)
八本歯のコル  
12:30 12:10 山頂分岐直下(昼食休憩)  
12:50 12:45 山頂分岐(山頂・山荘トラバース)  
  13:48 夕方晴れ 北岳山荘(2780m)  
8/17        
  4:48 曇り
(ガス)
北岳山荘  
5:18 5:08 ケルン  
  5:38 八本歯のコル分岐(上)  
6:38 6:00 北岳山頂  
  6:55 八本歯のコル分岐(上)・・・強風  
8:00 7:33 北岳山荘  
8:47 8:37 中白根山頂  
10:10 9:56 間ノ岳山頂  
  11:08 小雨
(ガス)
中白根山頂  
  11:50 北岳山荘  
8/18        
  4:48 晴れ
時々
ガス
北岳山荘  
5:46 5:40 山頂分岐(山頂・山荘トラバース)  
6:15 6:10 八本歯のコル  
7:30 7:00 上部二俣(2530m)朝食休憩  
8:35 8:17 二俣(2175m)  
10:01 9:58 白根御池分岐点  
  10:12 広河原山荘  
  山行記録      
  久しぶりの3000m級の山旅と言うことで胸を弾ませて登山口「広河原」を6:15出発した。
  広河原山荘前の大きな吊橋を渡って、山荘のテーブルでマップの再確認、出発記録を採取して
  山荘左手の登山道を6:18ルンルン気分で出発した。
荷物は多少重いような感じはしたが、先月のトレーニング登山(蝶ケ岳)で経験していたので、
気分的には幾分余裕はあった。
前回の蝶ケ岳登山は最初から急登であったが、このコースは幾分緩やかな登りである。
静寂な樹林帯の中を20分歩くと白根御池分岐点に到着。先客が一人居たが、休憩を終えて、
白根御池方面に登って行った。
私も給水をして小休止をしていたら、後ろから来たハイカーも一瞬立ち止まったものの休まずに
白根御池方面にそそくさに登って行った。
結構こちらのコースも人気あるのだな〜〜と一人呟きながら大樺沢コースに足を向けた。
やがて樹林帯を抜け雪渓のある大きな沢、所謂大樺沢にでる。二俣方面の上方を視ると、
大勢のハイカーが縦一列に並んで登っているのが良く見えた。
時折日差しが強く、首の周りが熱くなってきたので日除け付きの帽子にチェンジしたが、
心地よい冷風が、背中に感じ、再度帽子を普通のキャップにチェンジする。そうこうしているうちに
二俣に到着。15〜6人のハイカーが疎らに休憩していた
私も少し長めの休憩を取り、ここから本格的な登山に入ると自分に言い聞かせながら、八本歯のコルに
向かう。
八本歯のコル手前の登り階段に着いたが、気圧のせいか、とても息苦しく感じられ、休み休みの
階段登りであった。
下りの時に数えたのだが、大小23個の階段があり、とても長くきつい階段であった。
八本歯のコルに到着した時は息切れが激しい状態であり、十分な冷却期間が必要としていた。
10分間休憩をとってさらに登り再度10分後に昼食休憩をとった。
相変わらず天候は良好で周りの展望は良いが、北岳山頂は厚いガスが掛っており、全く見えない
状況である。昼食を終えてさらに登り続けるが、山頂のガスは消えそうにないので、トラバースの
分岐点に来た時点で迷わず山荘方面に足を運んだ。
木製のはしごを通過するルートであるが、高山植物が咲き誇り、今までの疲れを少し癒してくれる
登山道であった。特に感動したのは「トリカブト」の花である。
濃い紫色のきれいな花である一方、毒々しさが妙に感じられた。
写真を撮りながらのんびり進むとやがて、今晩及び明晩の宿泊場所「北岳山荘」が見えてきた。
13:48北岳山荘に到着。さっそくチェックインして寝床を確保し、明日の準備をして、カラフルな
テントが5〜6個設営されている小屋前の広場に出た。
そこには先ほどとは打って変わった北岳山頂が良く見え、カメラの三脚をセットして、山頂をバックに
写真撮影に没頭していた。気がつくと残念ながら富士山が見えなかった。しかし南方面の白根三山
縦走路も良く見えカメラセットを移動して、明日の縦走を想像しながら写真撮影をした。
翌朝3:45起床、外は強風で曇り状態である。4:30に受付で昼食用の弁当を受け取り、
小屋の外に出たが天候は非常に怪しい。迷った挙句、北岳山頂に向かった。10分暗い歩くと日の出と
なり、更に右方面に端麗な富士山が雲の上に見えた。「なんと美しい富士の姿なんだろう」と思い、
写真&ビデオ撮影をし、脳裏に焼きつかせて更に山頂へと向かう。暫くすると今まで見えていた、
北岳山頂がガスに覆われて見えなくなってしまった。
少し気落ちして登り続けると鎖場のやや危険な場所に到着。山頂のガスのことをすっかり忘れ、慎重に
鎖場を通過する。5〜6分で安全地帯に入り再度上空を見上げるが、やはり厚いガスが掛ったままで
ある。もうここまできたら引き返す気はなくそのまま山頂へと向かった。
6:00丁度に山頂到着。予想通り周囲は厚いガスで視界ゼロであった。
それでも日本第二位の高山である「北岳」山頂には大勢のハイカー達で賑わっていた。
さほど強くはない風が時折舞いて私たちの体を冷やしているせいか、お湯を沸かしてコーヒーを
飲んでいる者、カップラーメンを食べている者等、様々であった。
エビデンスの写真を数枚撮り、更に視界ゼロの山頂風景をビデオカメラで撮影し、6:38下山開始。
以前に来た時も視界ゼロで天候に殆ど恵まれない「北岳」であると痛感した。
下りの危険地帯も慎重に歩き、7:33「北岳山荘」に到着。
相変わらず南方面の縦走路はガスが掛っていて視界不良のようである。暫く迷った挙句に、小屋の
中に置いてきたストックを持ち出し、スポドリを飲んで、8:00丁度に北岳山荘を後にした。
目標の「間ノ岳」も間違いなくガスで視界はゼロと判っていても、百名山の名前に負けつい行ってしまう。
何人かのハイカー達とすれ違い、また追い抜かれのガス山の散歩は何とも虚しい山行である。
それでも、登山ルートから外れないよう、時には後ろを振り返りマーキングは大丈夫かと確認しながら
山行を続ける。本の一瞬であるが、後ろを振り返った時に今来た、稜線の登山ルートがくっきりと
見えた。ガスが抜けてこのような光景が見られたのは後にも先にもただ一度きりであった。
延々とガスの中を約2時間歩いて目標の「間ノ岳」山頂へ9:56到着。
北岳山頂程の賑わいではなかったがここでも5〜6人のハイカー達が食事休憩を取っていた。
私もリュックの中に山荘のお弁当が入っているが、さすがに一人で昼食を取る気にはなれず、
エビデンスの写真を数枚&ビデオカメラで山頂の標識を撮って、10:10「間ノ岳」山頂を後にした。
結局「北岳山荘」までの帰路もガスと雨の山行であり、とても残念な気持ちと、これも一つの貴重な
体験であることを改めて認識した思いで、山荘に入った。
山行三日目の朝は昨日同様、4:30受付でお弁当を受け取り、4:48広河原に向けて山荘を
後にした。10分位歩くと南東から朝日が顔を出し、更に西方にはこれまた昨日より尚一層、端麗な
富士の姿が見えてきた。思わず足を止め、これが最後のご褒美と思い、写真とビデオを撮った。
更に今来たルートを振り返ると山荘とその後方の縦走路がガスの中から微かに見えてきた。
トラバースルートの危険地帯(はしごの連続)を慎重に通過し、やがて山頂との分岐点に到着。
山頂は相川らずガスに覆われているが、下の方は時々ガスが発生するが良く晴れていて、
八本歯のコルもくっきりと見え良い山旅気分である。しかし、ここから先が危険地帯の正念場で
あることを十分認識し、慎重に、慎重にと自分に言い聞かせながら歩いた。八本歯のコルの直前で
強風に煽られ帽子が飛ばされてしまった。それでも命までは飛ばされず何とか第二関門の「八本歯」
を通過。次の第三関門は急な、はしごの連続(23個)である。昨夜の雨に打たれた木製のはしごで、
滑りやすく危険である。ここでも「慎重に!」を自分に言い聞かせて階段を下りた。
下りとはいえ急な階段の為、膝に負担が掛り足元が危うくなる。何度か休憩しながら、23個の
階段をクリアーし、ホッ!と胸を撫で下ろした。それから少し下りたところに標柱が立っており
地名はないが、私が勝手に「二俣上部」と名付けたところで朝食(山荘の弁当)を取った。
大樺沢から沢山のハイカーが列をなして上がってくるのが良く見える。二日前の私も希望に胸を
膨らまして登ってきたものだと、思い出していた。
食欲はないが、ゴールまではまだまだ遠いので何とか水で流しこみながらやっと完食できた。
30分後立ちあがって下山再開する。二俣まで大勢のハイカー達と出会うが皆一様に、気合いが
入っているのが良く分かる。時々すれ違うハイカーに上部の天候状況をレクチャーしてあげると、
更にテンションが上がって気持ちよく登り続けているようであった。
二俣には8:17到着し、最後の休憩を約20分費やし、大樺沢から樹林帯へと入って10:12
広河原山荘に到着した。当初の予定では12:45のバスに乗る予定であったが、運よく10:20発の
バスが待っていてぎりぎりのところで乗車することができた。
バスの中から奈良田・身延方面行きのバスが走っているのが下方に見え、いつか私もあのバスに
乗ってみたい衝動に駆られながら私の夏山登山は幕を下ろした。