27年山行記録
日時 7/21〜7/22 目次へ戻る
場所 槍ヶ岳
コース 上高地〜槍沢コース〜山頂ピストン
同行者 単独      
出発日時 到着日時 天候 場所 備考
7/21 5:50     上高地BT発  
6:40 6:36   明神  
7:25 7:23   徳沢トイレ  
9:00 8:20   横尾  
9:49 9:44   一ノ俣  
  9:55   二ノ俣    
10:30 10:19   槍沢ロッジ  
11:23 11:18   大曲下(雪渓始まり)  
12:40 12:27   天狗原分岐点  
14:49 14:38   殺生ヒュッテ分岐点(上)  
  15:44   槍ヶ岳山荘  
7/22 5:07     槍ヶ岳山荘  
5:47 5:31   槍ヶ岳山頂  
6:30 6:09   槍ヶ岳山荘  
  6:50   殺生ヒュッテ分岐点(上)  
7:41 7:21   槍見広場(朝食休憩)  
  8:10   天狗原分岐点  
8:40 8:37   大曲上(雪渓始まり)  
9:53 9:35   槍沢ロッジ  
10:18 10:17   二ノ俣    
  10:25   一ノ俣  
11:30 11:06   横尾  
12:25 12:20   徳沢  
13:15 13:10   明神  
  14:04   上高地BT着  
  14:10   上高地BT発(臨時バス)  
         
山 行 記
長野自動車道「更埴JCT」を過ぎて松本方面へ20分位向かった処に夜景展望で有名な「姥捨SA」があり、
そこで昼食休憩を取る。平日とは言え昼休みの時間帯のせいか、レストラン入口は5、6人の列が出来ていた。
レストラン内の空席状況を確認したが、意外と空いていたので列の後ろに並び、還暦の記念に清水の舞台から
飛び降りたつもりで信州そばを注文した。トラウマになっていたそば粉の薬臭い匂いがなく、普通に食べられた。
今回の山旅、中々良いスタートを切ったと一人感心しながら、外気温度30度の「姥捨SA」駐車場を後にし、
松本方面に向かった。
新島々のセブンで食糧品&スポーツドリンク&アルコール類を調達して「沢渡駐車場」に予定通り15:30到着した。
昨年来た時は、このエリアを通過しただけであったので全く気が付かなかったが、こんなに近代的な駐車場が
整備されているとは思ってもいなかった。
【因みに昨年は涸沢岳に登る予定できたが、天候悪化(台風と豪雨)で登山を中止し新穂高温泉と
ロープウエィの観光に切り替えた】
早速、駐車場を離れてBT(バスターミナル)へ向かいBT全体の構成状況をインプットした。
驚いたことにBT待合室の一角に上高地から各登山口方面での熊出没の案内が手書きで発せられていた。
当り前ではあるが熊除けの鈴は必ず着用する事とも表記されていた。いつもの私なら、このコースは、
メジャーでハイカーが多いため熊除け鈴は無視していたが、今回は新調した熊除け鈴(ON・OFFで音色発生)を
念の為に持って来て良かったなと、そっと胸を撫で下ろした。
駐車場に戻ってベッドメイキングをし、何時もの様に缶ビールで夕食を取り21:30消灯した。
17年ぶりの槍ヶ岳登山、天に突き出している槍の穂先の部分の登山は怖くてとても緊張していたことを良く
覚えていたが、途中の登山コースは槍沢ロッジがあるという事くらいしか記憶がない。それにも増して
久しぶりの3000m級の登山でテンションが上がる一方、山頂まで無事到達できるかの不安が過った。
長距離運転とアルコールでいつしか眠りに入り3:30起床。5:10発のバスで上高地へ向かう。
バスの中は7〜80%の乗車率で早朝の為一般の観光客はおらず、全員が今日の天気を楽しみながらの
若者から中高年のハイカー達であった。
5:40上高地BTに到着。 BT広場では早朝にも拘らず大勢のハイカーたちで賑わっていた。
チップ制のトイレを使用し、三週間前から作成していた登山届を投函して5:50上高地BTを出発した。
さすがにこのエリアでは熊出没は無いだろうと思い、鈴の音色ロックをかけて梓川畔を歩き河童橋に到着。
相変わらず景観の良い人気の河童橋上では写真撮影のハイカーたちで一杯である。
私も橋の近くで人がいなくなる機会を見つけて2〜3枚写真を撮り横尾方面に歩き出した。
途中、明神、徳沢の各ポイントで小休止を入れ8:20「横尾」に到着。
ここから槍方面と穂高、涸沢方面、そして4年前に登った蝶ケ岳方面に分散されるため、20人前後の
ハイカーたちが、思い思いに休憩をしていた。
空腹感は無いが、大人の山歩きを心がける私には無理してでもここで朝食を取るべきだと思い、日陰の
ベンチにリュックを降ろして朝食休憩を取った。今日は天気も良くこの先、森林限界を超えると直射日光を
もろに受ける事が予想され、スポーツドリンクを多めに飲み塩飴を2個口に入れ、3個をポケットに入れて
颯爽と槍方面に歩き出した。
大曲の大きな雪渓(2か所)を過ぎると本格的な急登で長い登山道に入る。
自分なりに覚悟して登ってはいるが、やはり標高2500mから上は空気が薄く、チョイ休みの多い実に苦しい
久しぶりの登山であった。
天狗原分岐点から50分位登ったところで森林限界エリアとなり、頭上にはなんと槍の穂先が雄大に聳え立って
いるのが見えた。苦しい登山の中、貴重な”POWER”を貰った感じであった。気合を入れ直して登山再開!
それでも殺生ヒュッテの分岐から山荘直下の九十九折は、標高3000m付近となり、心肺機能が破裂寸前と
言った感じであった。15:44遂に槍ヶ岳山荘に到着。山荘前の広場では、大勢のハイカーたちがベンチにて
楽しそうに談話している。私も早くこの仲間に入ろうと思ったが、取りあえずチェックインを済ませ明日の準備を
しようと小屋の中に入って行った。部屋(ベッド)を案内された後、リュックを降ろし、着替えの為に更衣室に
向かったが、満室で順番待ちの状態であった為、自分の部屋(ベッド)に戻り、体を拭いて着替えをした。
明日の早朝登山の準備を済ませて外に出ようとしたが、山荘で用意している下履き用のサンダルの空きが
無いため、山荘内の食堂等を物色していた。
そうこうしているうちに夕食の時間となり館内放送が流れた。500mlの缶ビール(アサヒスーパードライ)を
買って食堂に入り夕食にありつく。最近の山小屋風の極一般的な食事内容であった。
ビールのお替わりをしたかったが、トイレが心配なので我慢し、日本酒(ワンカップ)を買って外に出ベンチに
座った。しかし外は、ガスで何にも見えず、おまけに余りの寒さで身震い状態である。部屋に戻って防寒着を
持って来ようと思ったが、部屋まで遠く面倒になり一階の喫茶室に入った。
受付で買った酒のつまみ(えびせんべいとソフトいか)を肴にして、ゆっくりと日本酒(ワンカップ)を頂く。
6:30になると受付と喫茶室の暖簾が仕舞われた。気分的にもう1本日本酒を飲みたかったが、
ここはグッと堪えて部屋に戻り、歯磨き、洗面、トイレを済ましてベッドインすることになった。
8:30館内消灯となるが、今日はお酒が少なかったせいか、もしくは余りの疲労のせいかベッドに入っても
中々眠れなかった。翌朝3:30起床、4:30に小屋の外に出たが、強風とガスで山頂が見えない。
再度小屋に入り雨具を着た。何人かのハイカーが小屋を後にそれぞれの方面に散らばっていく。
風は幾分弱まってきたようで、また、外に出ると山頂が時々顔を出している。これなら大丈夫と思い
カメラと水の入ったサブザックを背負って5:07山荘を出発。最初は傾斜の緩やかな岩肌であるが、
ロープ、鎖、はしごと山頂に向かって傾斜がきつくなる。山頂から降りてくる人が1人居たが、私の様に登って
行く人は居なかった。山頂手前のはしごは、ほぼ直角で更なる慎重さをもって登り5:31山頂到着。
風は強かったが、展望は最高である。最初の10分位は私一人で山頂は貸切状態であった。
カメラの三脚は持ってきたが予想通り強風で使用できず、自撮りで我慢。そろそろ下山しようとした時に、
1人のハイカーが登ってきてお互いの写真撮影で今回のミッション達成を感じた。気分良くして今度こそ
下山しようとしたところ新たに登ってきた別のパーティからブロッケン現象の声が聞こえてきた。
思わず立ち止まってそちらの方向へ目を向けると確かに雲のスクリーンの上に丸い虹の輪が出来ていた。
輪の中にはしっかりと私たちの人影がくっきりと映されていた。正に幻想的な映像である。
暫くは感動に酔いしれ、この幻想的な映像を瞼にしっかりと焼き付けて、5:47山頂を後にした。